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happy life

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1998年に発表された同名の作品集から数編の差し替えを行った「完全版」。
入手困難な限定本"たのしい人生 Rarities"からの収録もあるのが嬉しいところ。

ガロに掲載されたデビュー作("パーティ大好き")を含めた最初期の作品では、
現在の代名詞ともいえる可愛らしいタッチはまだ見られず、
その代わりに如何にもアングラ〜サブカルな歪みを含んだ仄暗さが目立つ。

"かわいい仲間"はキュート路線のタッチを逆手にとるような亜流メタ要素を持っており、
ラスト一コマで急転直下し最高潮に達する狂気の演出は、
キャラクターの可愛さと本秀康自身の精神性の乖離の表れか。
(後に、しっかりとギャップとして消化できている部分ではあるのだが。)
そういった意味では"かわいいハシヅメくん"も似たようなテーマを内包しており、
可愛さの正義を笑いの種にしながら批判している短編となっている。

個人的に最大のインパクトを受けたのが"お金を見つけた"で、
詳細は記さないがビジュアルとしての強烈なブッ飛び方と、
それでいて根本の心の動きの「あるある」感の同居が見事。
by taku_yoshioka | 2012-11-11 00:47 | comic

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka