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stand up

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井上雄彦が描く主人公は、実に良い倒れ方をする。
"SLUM DUNK"の桜木花道然り、"バガボンド"の宮本武蔵然り。
「ドブの中でも前のめりになって死にたい」とは坂本竜馬の言葉だが、
真っ向から立ち向かった結果うつ伏せに倒れる様は竜馬の姿勢そのものだ。

そして、倒れっぷり以上に心を打つのが、立ち上がる姿。
"SLUM DUNK"のクライマックスである山王戦で
コート外に出そうなボールを取らんとしてダイブし、
ベンチ前で倒れたままバスケを始めた頃の回想を挟んで立ち上がるシーンは、
「大好きです、今度は嘘じゃないっす」の名言とともに、
屈指の名シーンとして多くの読者の脳裏に記憶されている。

さて、なんでこんなことを書いたかというと、
"リアル"11巻での野宮朋美の倒れっぷりと立ち上がりっぷりが余りにも見事だったからだ。
倒れても、なお立ち上がる。
不屈の闘志を持つ男の姿には、やっぱりグッと来てしまう。

闘志、という切り口では、高橋久信が覗かせたハートの強さも印象的。
奮闘する中ふと心に浮んだ後悔の念は、
何かに打ち込みながらも上手くいかなかった経験を持つ者なら共感できるはず。

追記:野宮の回想シーンの使い方も巧い。
by taku_yoshioka | 2011-11-29 00:57 | comic

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka