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どうかこの歌が届きますように(あなたには/BASI)



一曲のスマッシュヒットがそのミュージシャン/プロデューサーへの期待を高め、
同時にその期待の幅を狭めてしまうということは往々にしてある。
良作だったからこそ「同じような曲/似たような曲」が求められるのだが、
その声に応えていくことは簡単ではない。

そういった意味で、BASIの"あなたには"でのEVISBEATSのプロダクションは特筆すべきものがある。
"ゆれる"や"いい時間"で与えたインパクトとイメージが作り出した期待感に対して、
真っ向から(そして軽やかに)返答するかのような最高級のメロウ・トラック。
しかも、ここまで的確でピンポイントな大衆性を盛り込みながら、
韻シストの音楽性を理解した曲展開やフレーズ使いも披露しているのだから、
もはやプロデュースの手腕に文句のつけようもない。

もちろん、このクオリティはBASIのラップとの相性自体が絶品であることが大前提。
親交の深さが楽曲においてもポジティブに現れ、
「阿吽の呼吸」でマッチした関西シーンの珠玉のコラボレーションだ。


(余談)
現在育児休暇中のEVISBEATSだが、年明けからブログにてライム形式の日記を掲載している。
2ndアルバムでは大半の楽曲を外部作詞者に委ねていたが、
自作では再び自らペンをとる作品が増えるのかもしれない。期待。
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by taku_yoshioka | 2013-02-12 23:59 | music

君のいい感じのVIBESで 僕のいい感じのVIBESで(VIBES/EVISBEATS)

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現在の日本のHIPHOPシーンにおいて、快楽性の高い作品を作る事に関して言えば、
EVISBEATS以上に信頼のおけるブランドはないだろう。
今年7月に名作「ひとつになるとき」をドロップしてからわずか4ヶ月にして、
またもや極上の作品集が我々の元に届けられた。

未発表ラップ曲とインスト曲から構成される本作は、
ライブのパートナーとしてすっかり定着したPUNCH&MIGHTYのDJ MIGHTY MARSがMIXを担当。
アルバムを補完する内容として、そしてその周縁に広がる世界を広がるきっかけとして、
約60分間の新たな「いい時間」が体感できる仕上がりだ。

"恋する仏像"は"ギャーテーギャーテー"の別リリックver.となっているが、
聞くところによると元々アルバム制作時に"ギャーテーギャーテー"用に
3人の作詞家からリリックが用意されていたとのことなので、
アルバム用としてはお蔵入りしてしまったリリックの一つなのだろう。
また、"I CAN"では"ゆれる"とは異なるトラックを用いることで、
田我流のラップに備わっている「陰」の面を改めて表出させた。
(そこから"ゆれる"のオリジナルトラックのインストへ繋がる流れがまた素晴らしい。)

と、どうしてもラップ曲にまず耳がいってしまうところではあるが、
ビートが洗練され続けていることが何より大きい。
これまでにリリースされたインスト集などと聴き比べると分かるように、
EVISBEATS印の個性は残しつつも良い意味で角は取れ、
スムースでメロウな最高品質のトラックはまた次の段階へと進んでいる。
DJ MIGHTY MARSのMIXがその魅力を引き出すことに一役買っていることは言わずもがな。

早くも次回作の制作が始動しているそうなので、来年も楽しみだ。
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by taku_yoshioka | 2012-12-02 12:10 | music

ああ実に単純明快 鼻歌振りまいてただ歩めばいい(フェリチタ/EVISBEATS)

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7inchで先行リリースされた"いい時間"と"ゆれる"がスマッシュヒットする中、
待望のリリースとなったEVISBEATSの2ndアルバム。
前作以上に洗練されレイドバックした珠玉のビーツが、聴く者を極楽へと招き入れてくれる。

前作まで、一種のアンバランスさや不安定さが生み出す妙な引っかかりを音作りのポイントの一つとしていたが、
このアルバムでよりスタンダードで快楽的な方向に大きく舵を切った。これがとにかく気持ち良い。
特に、前半の一連の流れは素晴らしいの一言につき、
心と身体を委ねているうちに浄化されていくような快感すらある。

少年に語りかける形でメッセージを発信する"なんともまぁなんだかな"や、
芥川龍之介の"蜘蛛の糸"を題材として人の心の弱さに迫る"一本のロープ"は、
根底に優しさがあるからこその厳しさを強く感じる楽曲。
般若心境ラップに続く、説法ラップということも出来るかもしれない。
この3曲が全く別の書き手による作詞というのも驚きだし、
そもそも自身の作詞曲がたった1曲というラッパーのアルバムは異例だ。

そしてやはり白眉なのが"いい時間"と"ゆれる"の2曲。
本作全編に一貫している「快」のエッセンスが凝縮されたクラシックで、
いくらでもリピートして聴いていたくなるような、中毒性を越えた普遍性がある。
(言い方を換えると、この作品は先行シングルの気持ち良さを、
アルバムサイズで見事に表現しているということもできる。)

ここ数年でリリースされた日本語ラップ作品の中でも、随一の晴れた日に外で聴きたい一枚。
もはや、比較対象はBUDDHA BRANDやRIP SLYMEの"talkin'cheap"といった名作群という域まで来た。
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by taku_yoshioka | 2012-07-21 01:31 | music

張りすぎず緩すぎず 美しい音色は程よくチューニング(Just a moment/EVISBEATS)

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優れたユーモアというものは、人を笑わすだけでなく救ってしまう力すらある。
そんな大それたことを軽やかに成し遂げてしまう人物を日本語ラップシーンで挙げるとすれば、
奇才・EVISBEATSを置いて他にいないだろう。

MCネームにもなっている本作のタイトルからも分かるように、
AMIDAのリリックの思想の根幹となっているのは仏の教え。
なんだ宗教かと敬遠する前に彼の言葉に一度耳を傾けて欲しい。
「ポジティブさ」をライムに込める際に、
如何せん紋切り型の表現に帰結してしまいがちな日本語ラップシーンにあって、
AMIDAの押し付けがましくないメッセージはスタイルだけで見てもオリジナルなものだからだ。
(ちなみに、個人的には仏教徒というわけではない。)
本作を聴くと、韻踏合組合時代の飄々としつつもファニーなリリックも、
他者への愛あってこそなのだと再確認することができる。

来歴を少し振り返ると、NOTABLE MCの一員としてMCのキャリアを積みつつ、
韻踏合組合のプロデュースを中心としたトラック制作でも一目置かれる存在に。
しかし、"ジャンガル"のリリース後、相方OHYAと時をほぼ同じくしてクルーを脱退。
その後、表舞台からは半歩引いた立ち位置にいた印象はあったものの、
KREVAへの曲提供や2006年の自主盤等で断続的に話題となる。
以降も独自のスタンスでの活動を継続し、それが結実した好盤がこの"AMIDA"だ。

トラック・メイキングに話を移すと、「個性的」と評されることの多い彼の作風だが、
独自の完成でチョイスされるサンプルから構成されるビートの中毒性はかなり高い。
かねてから重用しているインド楽器の音色を中心としたアジア音楽のエッセンスの消化は、
もはや国内では追随を全く許さないレベルに到達しているし、
昭和アニメからのサンプリングは、歪ながらもハネて転がる独特のノリを作り出す。
かと思っていると、突如として地に足のついたブレイクビートが耳に飛び込んできて、
EVISBEATSに流れているHIPHOPの血の濃さを感じさせてくるあたりも油断ならない点だ。
かつては、(特にノリでの)その個性が際立ってフォーカスされがちだったが、
本作ではレイドバック感/揺れ感/抜け感がグレードアップしているところもお聴き逃しなく。

冒頭、いきなりのキラーチューン"just a moment"は抜群の気持ちよさ。
発表後に大いに話題となった"般若心経RAP"はトピック選びのセンスもさることながら、
AMIDA史上最高とも言えるタイトさのフローにも注目したい。
ゲスト陣について触れると、KREVAと茂千代が「共存」するのも彼のビート上ならでは。
そして、ほとんどの楽曲でラップをキックする中、
インスト曲の"星降る夜に"が一際心に残るのもまた素晴らしい。

クセのある音楽はクセになる、のロールモデル的作品。
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by taku_yoshioka | 2012-06-19 00:45 | music

Ok, it's the stylish century


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