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showtime

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一昨年までは特に焦点もポリシーも無くNPB全体の動向を追いかけていたのだが、
去年は一人の選手に注目しながら一年を過ごした。
北海道日本ハムファイターズの中田翔だ。

注目するようになったきっかけは、甲子園で大暴れした大阪桐蔭時代、
ではなく、一昨年の7月から8月にかけて約1ヶ月の間に放った9本のホームラン。
それまでは何かとお騒がせなキャラクターばかりが話題になっていた彼に、
その才能の片鱗を見せられたとき、一気に惚れ込んでしまったのだ。
(こういうのをスター性と言うのだと思う。)

そして、4年目を迎えた昨シーズン、夏場には4番にも座る活躍を見せ、
打撃成績のほぼ全ての項目においてキャリアハイの数字。
特に打点の91は本人がこだわっていたことも含め、価値のある結果だと思う。
.314をマークした得点圏打率も心強い。

ただ、OPSは強打者のそれと比較するとまだまだ見劣りするし、
打率も終盤の急降下(と開幕の出遅れ)で.240を割り込んでしまった。
本塁打数の向上との反比例もやや見られたので、
今季はシーズンを通して動ける体力をつけて走りきって欲しいところ。

追いかける中で可能な限り試合も観るようにしていたので、フォームの変化も印象的。
ついにブレイクを果たした彼ではあったが、初めて一軍に定着した一年間の道程は平坦ではなく、
繰り返された試行錯誤はそのままフォームの改造の多さになって現れた。
おそらくは、このオフとキャンプでもチューン・アップが施され、
2012年度版の最新型のバッティングは、過去最高傑作と言えるものになっているはずだ。

先日報道があったように、めでたく生涯のパートナーも得た。
あとは、入団当初の予想に応えるだけの成績を残すのみ。

球界を代表するバッターになることを期待。
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by taku_yoshioka | 2012-01-17 23:59 | sports

soulful man, soulful word

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「心配するな。
 私はお前を二度と二軍に戻さない。
 お前はずっとここにいるんだ。」

生き馬の目を抜くプロ野球界にあって、
このような言葉を監督からかけてもらえたら、
どんなに嬉しく、そして奮起することだろうか。

この本には、2005年に千葉ロッテマリーンズを日本一へと導き、
現在はMLBの名門ボストン・レッドソックスで指揮を執る名将
ボビー・バレンタインが残した言葉の数々が収められている。

彼の人柄がよく表れているウィットとユーモアが随所で光りつつも、
鋭さや重さという点においては歴史に残る名言や格言の類には及ばない。

注目すべきは、発言内容のブレの無さとポジティビティ。
似たような発言の多さがもたらすのは、決して「退屈さ」などではなく、
首尾一貫した言動が確かにする「信頼」に他ならないからだ。
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by taku_yoshioka | 2012-01-07 23:59 | book

investment strategy in ballpark

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MLB史上でも特異な強さを持った00年代初頭のアスレチックスの舞台裏に迫った、
全米ベストセラーのノンフィクション。 (※映画版の感想)

恐らくは、セイバーメトリクスを始めとする新機軸の野球理論を
一般レベルに広く知らしめた初めての書籍である本書。
後にオークランド・アスレチックスの気鋭のGMとなるビリー・ビーンの
前途洋洋としていた学生時代からプロ選手時代の挫折と苦悩、
また、既存の野球データに大きな疑問を抱いていたビル・ジェームズが、
独自の理論からセイバーメトリクスを確立させるに至るまでの経緯など、
一大旋風を巻き起こしたアスレチックスの快進撃の裏にあったヒストリーもたっぷりと詰まっている。

ビリーは、徹底したデータ収集と分析を基に、
いかに低い賃金でより多くの勝利を積み重ねることが出来るかを考える。
これは、旧来の野球人の考え方というよりは経営者的なそれに近いものではあるが、
単なる「効率化」「コストパフォーマンスの重視」という言葉では語りきれなくもあり、
その背後に隠れているのは恐ろしいほどの情熱とエネルギー。

年金の権利の取得を目前(4日後!)に控えた選手ですら容赦なく切り捨てるやり方が、
あまりにもドライだと批難されてしまうのも無理はない。
だがその一方で、日の当たらない選手の情報をかき集めることに関しては
他のどの球団のGMよりも時間と情熱を注ぎ込み、
何人ものプレイヤーを「救済」したというのもまた事実。
ビリーを冷血人間だとするのは、些か短絡的な気がしてならない。

さて、本書の中で一つのハイライトとなっているのが
2002年のドラフト会議の克明な描写だ。
本来は表に出ることの無い内部会議の会話の内容や
他球団とのやり取りなどが生々しく描かれ、
刻々と変わる戦況の中それぞれの関係者の思いが渦巻く様は、
全てが会議室の中で起きているとは思えないほどにドラマチック。

そもそも、ドラフト会議自体がどの球団にとっても
未来を担う(かもしれない)選手を獲得できる(かもしれない)チャンスなのだが、
より安く必要な選手を手に入れたいアスレチックスにとっては
殊に重要な一日であり、下準備も含めて力の入れ方が尋常ではない。

このドラフトでも、アスレチックスが獲得すべきは、高い出塁率を残し、
他球団からはそこまで注目されていない(=年俸を安く押せることが出来る)選手。
権謀術数に長けるビリーは言葉巧みに他球団から情報を手に入れ、
候補外の選手は他所に回しつつお目当ての選手はキープし、
ドラフト会議前に描いていた青写真通りの大成功を収める。

このパートは映画ではカットされてしまっているので、
映画を鑑賞した方も書籍で是非読んで欲しい。
文章ならではのスピード感と緊張感があって読み応え抜群。

ちなみに余談になるが、このドラフトでビリーからは「太りすぎ」の烙印を押され、
アスレチックスからの指名は見送られたフィルダーは、
2007年にはホームランキングのタイトルを獲得するなど、
今やリーグを代表する強打者の一人へと成り上がった。

かたや、アスレチックス内に狂騒曲を巻き起こし1位指名されたジェレミー・ブラウンは
皮肉なことに本書での神格化によって作られたイメージとの乖離に悩み、
僅か1シーズン、5試合のみの出場に終わっている。
こればかりは予想が出来るものではない。

さて、読了後に映画版を思い出してみると、こんなにも分厚く狭い内容のノンフィクションを、
よく2時間のストーリーに纏め上げたものだと感服する。
書籍ではほとんど野球ファン向け、もう少し広くみてもスポーツファン向けの範疇を出ない。
それを見事に換骨奪胎し、人間ドラマに仕立て上げた手腕は見事の一言。

きっと、今もアメリカで(そして世界中で)、第2のビリー・ビーンやビル・ジェームズを目指し、
数字とにらめっこを続けている人々が何人もいることだろう。
野球のデータという巨大な鉱山には、まだまだ金脈が埋まっている。
そう思わせるだけの夢とロマンに満ちた一冊だった。
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by taku_yoshioka | 2011-12-31 23:59 | book

The Art of Winning An Unfair Game

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マイケル・ルイスによるノンフィクションを映画化。
理論派でありながらも相当な激情家でもあるアスレチックスの辣腕GM、
ビリー・ビーンをブラッド・ピットが演じる。

物語は、2001年のディビジョンシリーズから幕を開ける。
オークランド・アスレチックスはニューヨーク・ヤンキースと熾烈な攻防を繰り広げるも、
あと一歩のところで勝利に手が届かず敗退。
しかも、その優秀なシーズン成績が祟って、
ジオンビを始めとする主力選手の引き抜きに遭ってしまう。
引き止められなかった理由はシンプル。チームの資金力だ。

MLBに限らず、世界中の多くのスポーツリーグにおいて
全てのチームが平等ではない経済状況の中で覇権を争っており、
特に選手の争奪戦において「貧富の差」がしばしば差を分ける。
この球団間に横たわる明白な格差を埋めるために、
ビリーは「マネー・ボール理論」で勝負に挑んでいく、というのが話の大筋。

この理論は、ビル・ジェームズが提唱したセイバーメトリクスに基づいており、
ポピュラーとは言わないまでも、一つの考え方としてある程度は定着してきている手法だ。
限られた金額の中でいかに勝利を手にするか。
そして、そのためには情や勘を切り捨てて、
数値至上主義で選手を使う必要がある。ともすれば駒のように。

理詰めが過ぎるやり方には当然波風が立つもので、
作中でも古株のスカウトは大きく反発。
しかしながら、個人的にはどちらかと言えばビリー派だ。
そもそも、野球はデータの集めやすいスポーツ。
先に挙げたセイバーの中でも特に重要なOPSのように、
シンプルでありながらも有効な、未発見の指標が埋もれている可能性がまだまだ残されている。
ここに、弱者が強者に噛み付くためのチャンスが隠れており、
数字偏重の姿勢からくる冷たさよりも、
下克上の可能性の面白さの方がはるかに上回ると感じざるを得ない

登場人物に話を移すと、主人公であるビリー・ビーンもさることながら、
ジョナ・ヒルの演じるピーター・ブランドの役回りが良い。
イエール大卒業の秀才は、ビリーの右腕として大活躍。
野球畑の出身ではない彼が、それまでの野球の常識とは違うセオリーを武器に
アスレチックスの勝利に貢献する様子はやはり痛快。

また、意外と野球シーンの質が高かったのも好印象。
得てして、スポーツ映画はストーリーや演技力以前に、
プレー中の動きが不自然になってしまうことで気が散るケースが多い。
未経験の俳優がキャスティングされることもあり仕方ないといえば仕方ないのだが、
本作では経験者を配することで違和感なく試合パートを見せることに成功。
結果、ストーリーに没入できるように仕上がっている。
思い返せば、同じくスポーツを題材にした"インビクタス"のゲームシーンもよく出来ていたし、
そういったディティールの水準は高まりつつあるのかもしれない。

そんな中、若干絞まり切らない終幕は致し方なし、といったところだろうか。
テロップにもあるとおり、ビリーの挑戦は未だ継続中であり、
「めでたしめでたし」としてしまう訳にはいかないのである。

(余談)
試合中継のモニターに一瞬写るイチローの姿や、
網羅的に収集された全投手データの文字列の中にある
「Shigetoshi Hasegawa」の名前にも注目。
余りにも自然にメジャーリーガーとして出てくるところに、
時代が変わったことを強く感じた。
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by taku_yoshioka | 2011-11-27 02:05 | movie

baseball materialism

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二宮清純氏を評するときによく言われるのが取材力の高さだが、
その評判通りのインタビュー巧者っぷりで、質問が上手い。
氏の投げかけ方がいいからか、はたまた内容がいいからか、
選手からの回答も中身のある充実したものになっている。
(もちろん、二宮氏の事前の分析の深さに因る部分も大きい。)

特に記憶に残ったのは、前田智徳との対話。
「天才」と称されながらケガとの戦いで不遇の期間も経験し、
自ら「前田智徳は死にました。」とまで言い切った男の生き様と哲学が伝わってくる。
また、松坂大輔とイチローの対決は、
文章で追体験することで当時の興奮を思い出すことが出来た。

そして、本書の見所としてもう一つ触れておきたいのが、
箸休め的に挿入されているコラムだ。
本文(90年代終盤)よりもさらに少し前(91年〜92年)の発表ではあるが、
「史上最強の打者とは」「史上最強の投手とは」という
プロ野球ファンなら誰もが考えたことのあるテーマで書かれており、
各時代の名選手を時系列順に追いかけながら比較している。

このコラムでも、二宮清純は成績などのデータからだけではなく、
同時代を経験した他選手からの証言を引用しながら、
異なる時代の名選手の比較から一つの結論へと到達。
あくまでも当事者の感覚頼りではあるが、
単純に成績だけで比較するよりはよほど誠実な分析だと思う。
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by taku_yoshioka | 2011-11-13 20:23 | book

straightforward

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かれこれ20年近くプロ野球を見ているのだが、
特に強いインパクトが残っている投手の一人に、星野伸之が挙げられる。
松坂大輔やダルビッシュ有のような圧倒的なエースピッチャーではなく、
むしろどうして打てないのかが不思議なほど速度のないボールを武器に、
並居る強打者達を打ち取っている姿は鮮やかの一言に尽きるものであった。

注目すべきは、その持ち球の少なさと球の遅さ。
130km/hのストレートに110km/hのフォーク。
そして、伝家の宝刀ともいうべき90km/hのスローカーブ。
この僅か3種類のボールを武器に、通算176勝・2041奪三振という数字を積み上げた。

本書は、引退後の「種明かし」的な趣の強い一冊だ。
球速という意味では恵まれなかった星野が、
いかにしてプロの舞台で活躍したか。もとい、生き抜いたか。

その理由として優れた制球力を挙げる者も多いのだが、
星野自身は配球のコンビネーションへの工夫をライフラインの一つとして大きく取り上げている。
先に挙げた少ない球種ならでは組み合わせの面白さ(と苦労)があり、
絶対的なウイニングショット(星野の場合はスローカーブ)の使い方がキーとなる。
これが「困った時はストレート!」というタイプのピッチャーでは行き着かない領域で、
足りない部分は頭脳でカバー出来る野球の奥深さを示していると言える。

また、パーソナルな回顧録として、様々な打者との対戦も記されている。
中でも、特に印象的だという日本シリーズでのヤクルト・秦との対峙は、
その年は結局ヤクルトが優勝したということもあって、
球史に残る対決というわけでは決してない。
しかし、当事者にとってはとても大きな意味を持っており、
詳細に記載された投球パターンに試行錯誤の深さが垣間見える。
こういった、知られざる名勝負が積み重なって
プロ野球の歴史は綴られていく。

一流選手の自伝にしては華々しさはないかもしれないが、
だからこそリアリティを持って理解することが出来る、
一選手のバイオグラフィにして優れた野球のテキストでもある一冊。
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by taku_yoshioka | 2011-10-08 02:40 | book

inside worker

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扇の要と称されながらも、日陰者となっているキャッチャーにスポットを当てた
2002年のシーズン開始前発売の新書。

状況やセオリーが日々変化し進歩するスポーツについての新書を10年近く経ってから読むと、
発売当時には持っていた意味や意義が薄まってしまうが、
一方で、だからこそ生まれる一種の歴史的資料としての価値はあるのでそれはそれでアリ。

ちなみに、当時の様子を感じさせる部分としては、
球界ナンバーワン捕手として幾度も取り上げられる古田敦也や
成長株筆頭として名が挙げられている城島健司、
一方で若さからくる経験不足が指摘される阿部慎之助への言及などがある。

もちろん、これらは2011年現在では状況が異なる。
残念ながら今の球界には圧倒的なナンバーワン捕手が存在しないし、
MLBでの捕手の成功の難しさについても触れられているが
2006年には城島健司が渡米しマリナーズの正捕手として定着するし、
今や阿部慎之助のリードを評価する者は少なくない。

さて、前置きが長くなったが本題。

本書は捕手「論」とは銘打たれているが
ロジカルな分析に基づく技術書や理論書ではない。
当事者である捕手やその一番のパートナーである投手、
さらには捕手と最も近い始点の主審からの取材を元に構成されている。
もっとも、経験こそが最大の武器となるキャッチャーというポジションを語る上で
実際のエピソードほど重要なものはないのだけれど。

さらに言えば、役割上「企業秘密」も少なくないはずなので、
配球術などについては部分的/表層的にしか扱われていない。
このあたりは自らで経験・研究するしかないといったところか。

披露される数々のエピソードの中でも特に印象的なのが
かの有名な「江夏の21球」を捕手・水沼四郎の視点から語っている部分。
(そもそも、主語が「江夏豊の」となっていること自体が
捕手の陰の立役者然とした立ち位置をよく現している、と読後は思ったりもする。)

別に、手柄の奪い合いをしているわけでもないのだが、
細かい配球の理由や、それに冠する思惑が異なっていたり、
さらには記憶違いがあったりと、
両者の観方を比較しながら追体験することができるのが面白い。

そして、細部には多少の差異こそあれ、
全体としては相手のことを尊重しているというのもポイントだ。
名場面に名夫婦あり、といったところか。

他にも、投手とのやり取りにおける信頼関係の構築から、
ブロッキングやキャッチングという細かい部分のちょっとしたテクニックまで、
捕手を知る入門書としては十分すぎるほど網羅されている。
読むのに時間も要さないので、キャッチャーに興味があれば是非(乱暴な結句…)。
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by taku_yoshioka | 2011-08-15 01:07 | book

アウェイの星から とっておきの魔球(アオバ/メレンゲ)



ダルビッシュはいいピッチャーだ。

なんて、今更言うまでもないことですが、
やっぱりいいピッチャーだなと思わされたのが今年のオールスターゲーム。
ダルビッシュは、試合を前にしてマスコミに新球の存在をアピールし、
実際に阿部との対決で立て続けに投げ込んだ。

予告投球には野球ならではの興奮がある。
リスクの大きさと、それを越えてくれるかもしれないという期待とで、
大物ピッチャーがやってくれるとワクワクする。

そう、ダルビッシュがいいピッチャーだと思うのは、
純粋にワクワクさせてくれるからなんです。

新変化球を予告し、本当にそれを投げる。
別に通用したかどうかや、実践で使用可能かどうかはあまり問題じゃない。
シンプルだけれども、他に同じことをやれるピッチャーは
今の日本球界にはいないんじゃないかな。
こういうワクワクがある限り、日本の野球は死なない、はず。
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by taku_yoshioka | 2010-07-29 00:00 | sports

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka

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