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お別れの時 怖れはしない 必ずまた逢えると信じて(お別れの時/二階堂和美)

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"にじみ"のリリースまでのインタビューやエッセイを収録した、二階堂和美初の単行本。
ライブ会場と一部店舗での限定1000部販売。

アルバム制作の裏話を始めとした音楽の話はもちろん、
浄土真宗本願寺派の僧侶でもある彼女が持つ独特の仏教への思いや、
祝島でのエピソードに端を発する上関を始めとした原発についての考えなど、語られている内容は様々。
その結果、単なるミュージシャンとしてだけではなく、
二階堂和美という一人の人間の生き様や価値観に触れることの出来るものとなっている。

その中から音楽についての話で印象に残った部分を掻い摘んで紹介すると、
最新作から演歌の要素を意図的に取り入れた明確な「戦略」や、
歌の中での言葉の使い方(どう聴こえるかの意識)などがあったことは記しておきたい。
本能的・感覚的な人間のようにも見える彼女だが、
その実かなり思慮深いクリエーターであることが自身の口から語られているのは貴重な記録だ。
(奔放な印象でありながらも、悩み多き歌い手であるというのも
パブリックイメージとの乖離がある部分か)。

巻末の書下ろしを除き、全て雑誌やwebで一度発表された記事ではあるが、
先述したようにまとめて読むことで彼女の考えを俯瞰的に知ることが出来るというのは大きく、
"にじみ"をより楽しむ副読本としても、価値のある一冊だと思う。
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by taku_yoshioka | 2012-02-08 23:59 | book

にじむ涙は 希望の泉 あしたへと続く にじみ続ける(にじみ/二階堂和美)

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12/23に渋谷クラブクアトロにて開催された二階堂和美の「にじみの旅」ツアーファイナル。
そのツアータイトル通り、ほぼ"にじみ"の収録曲のみで構成されたライブは、
アルバムの魅力と同じく(もしくはそれ以上に)ファンタスティックで感動的な一夜となった。

出入り口付近まで一杯になっていた会場に二階堂和美が姿を現すと、
満員の観衆を前に感動したのか、一曲目を歌いだす前から涙。
その瞬間、二階堂和美が"にじみ"に込めた思いやエピソードetc.が
頭の中にフラッシュバックしてきて、こちらも泣きそうになる。
そして、声を震わせながら一曲目"歌はいらない"を披露。
この時点で、この日のライブが素晴らしいものになるであろうことは、
その場にいた誰もが予想できたことだと思う。それ程ドラマチックな幕開けだった。

数度のお色直しを挟みつつのステージとなった今回の公演。
その衣装がどれもカラフル&キュートで、ステージに彩りを添える。
(デザインを担当したのは、東京スカイツリーの制服も手がけたmina perhonenとのこと。)
その衣装に合わせてムードも変えつつ、3~4曲ずつで一まとめの構成はテンポも良かった。
一方で、曲と曲の間は必ず空けており、それぞれの曲を大切に歌っていたのもまた良い。

ハイライトとなったのが、本編終盤でのダンサー登場。
所狭しと阿波踊りが舞台上で繰り広げられただけでも壮観だったが、
彼女達が舞台袖に下がったかと思うと、今度出てきたのはカーニバル感満載のサンバダンサー。
大興奮の"お別れの時"にて本編は終了した。

アンコールでは、この日唯一のカバー曲が演奏される。
「最終回、観ました。」というMCを導入に歌われたのは、
この冬最も話題となったあのドラマの斉藤和義の曲…ではなく、
先日40年にも渡る歴史に終止符を打った"水戸黄門"の主題歌"あゝ人生に涙あり"!
これがまたハマっていて、和やかなムードに包まれつつも一盛り上がり。

また、アンコールでは今回のツアーを通じて生まれた気持ちを込めた新曲も初披露。
その名も"にじみ"。彼女の熱い思いがこめられた良い曲だった。
歌い終えてまた話を始めると、気持ちが溢れてきたのかまたもや涙。

そんな彼女の姿を見て、にじみバンドのバンマスである山村誠一が
機転を利かせてこの日2回目の"女はつらいよ"を弾き始める。
前奏がかかっても歌い出せない二階堂和美だったが、代わりに客席から大合唱が。
誰が煽るでもなく自然発生的に沸きあがった歌声は、
ミラクルであったようで、どこか必然的な展開でもあったような気がした。
(それくらいこの日のステージは神がかっていたのだ。)

サビに差し掛かろうかという頃には二階堂和美も「合流」し、
2番からは大混雑の観客席に降りてきて熱唱。
人の波をかき分けながら後方へと進み、握手をしながら会場内を回っていく。
かくして、約2時間半に及ぶパフォーマンスは大団円。
涙とともに始まったショーケースは、最高の笑顔での閉幕となった。

「今年一年、いろんなことがあったけど、課題も希望も背負っていきましょう」という
最後のMCとともに、この日のライブのことはずっと忘れないと思う。
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by taku_yoshioka | 2011-12-29 23:59 | music

この世の すべては どうにもならない それでも 生きる わたしは 生きる(めざめの歌/二階堂和美)

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名盤"ニカセトラ"や多くの音源に収録されている数々のカバー曲は
彼女なりの解釈が施されたものばかりで、
良い意味で我が物顔で歌いこなす姿には
カバー曲でありながらも自由さや奔放さが強く感じられるほどだった。

しかし、歌い手であると同時に創り手でもある二階堂和美の心には、
他人の曲で評価されることに対しての思いが少しずつ蓄積されていたようだ。

その証拠に、近作のリリースにあたって
特設サイトで以下のようなコメントを寄せている。

—――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

自分の言葉を、自分のメロディーで歌いたい。

 一人で立つステージを重ねながら、ふつふつとそんな思いが湧いてきました。
「二階堂和美はカバーのほうがいいよね」とか言われてもいい。
10年前にはなかった思いを今、紡いでおきたい。
本当にやりたいことを形にしておきたい。
そんな自分の満足感を充たす目的から着手したアルバムでした。

(以上抜粋)

—――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「カバーのほうがいい」と言われてもいいとまで言い切り、
それでも作らずに入られなかった思い。
ここに彼女の決意を感じずして何とする。
そんな、全曲が二階堂和美自身の作詞・作曲による意欲作がこの"にじみ"である。

結論から言えば、これまでのキャリアを総括してその先を見せる快作だ。
ある意味、ベスト盤だと評してもいいかもしれない。
演歌や民謡、スウィング・ジャズにシャンソン、そしてポップスと、
様々な切り口とエッセンスを含む珠玉の楽曲集は、
その幅広さ通り全ての世代の人に聴いて欲しい。

そして、これだけ素晴らしい歌が並ぶアルバムの幕開けが"歌はいらない"なのがまた凄い。
もちろん、歌を否定しているわけではなく、
人生には歌がいらないときもあるという曲なのだが、
逆に言えばそれでも歌はなくてはならないという強い思いも感じる。

このシンプルさにして圧倒的密度。
魂と思いがぎっしりと詰まった、渾身の65分!
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by taku_yoshioka | 2011-07-26 00:14 | music

不思議ね こんなささいな喜びで 心弾むから(ハミング・スイッチ/二階堂和美)

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表題曲であり、CMソングでもある"ハミング・スイッチ"は、
おそらく二階堂和美作品の中で最も多くの人が知っている曲だろう。
(誰の作品かが認知されているかはかなり微妙だが。)
しかし、この曲のキラキラ感やハウス調のドラム、
さらにはジャケットにもこれ見よがしに入り込んだ某車の絵を見るにつけ、
彼女のキャリアの中でもかなり異色な出来だということがわかる
(一番J-POP然とした曲ではあるんだけれど)。

ということで、二階堂和美ファンにとっては、次からがお楽しみの始まり。
その2曲目、YOUR SONG IS GOODとの共演になる"関白宣言"は、
原曲の厳格なトーンからは想像もつかない陽気なラテンアレンジ。
これが意外にも凄くハマっていて、
ギャップを持たせることで「泣き」の部分は新しい際立ちを持つ。
そもそも、女性が"関白宣言"を歌う時点で、
挑戦的だし実験的だし、意味合いみたいなものも付加されてしまうんだけど。

松本隆作詞、渋谷毅作曲という豪華な組み合わせでありながら
制作当時は未発表曲となってしまったという"つるべおとし"は、
今回二階堂和美の歌声で初めて録音されることに。良曲です。

アコースティック・カバーの"真夏の果実"と"卒業"は、
翌年リリースとなった"ニカセトラ"の予告編的な役割も。
締めくくりの"Lovers Rock"のシンプルな弾き語りは、
切なさを増しながらもそっと寄り添ってくれるはず。

そんなこんなで、聴き終えてみれば1曲目以外はすべて生音で、
やっぱり"ハミング・スイッチ"は少し異質。
ただ、この方向も突き詰めれば面白いことになりそうな予感はさせてくれたかな。
(その後の活動を見れば、そうする気配すらなかった訳ですが)
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by taku_yoshioka | 2011-07-22 00:04 | music

駆け寄って 話しかけたかった でも出来なかった 今日まで 一度も(話しかけたかった/南野陽子)

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日本の春夏秋冬を彩ってきた名曲の数々を、二階堂和美がカバー。
聴きなれたはずの楽曲も、彼女が歌うと不思議と彼女の曲になってしまう。

元々声にはかなりの個性と力強さのある歌い手だが、
全編ギターの弾き語りで綴られたこのアルバムでは、
アコースティックな演奏によって歌声の魅力が特に引き出されているように思う。
そのせいか、所謂カバーアルバムを聴いたときのような借り物感は希薄だ。

前半ではアイドルの名曲が続く。
"話しかけたかった"で垣間見える少女性は、
オリジナル楽曲ではあまり見られなかった側面だし、
"夏のお嬢さん"では榊原郁恵とは違ったはしゃぎっぷりを聴くことができる。
こういう曲を聴くにつけ、彼女には「天真爛漫」という言葉が似合うなと
つくづく思わされる。

この「夏パート」はクライマックスの一つ。
"世界でいちばん熱い夏"で胸に浮んでくる煌きと、
"少年時代"から"せぷてんばぁ"への流れから思い出される晩夏の寂しさは、
聴くだけでひと夏を経験したかのような叙情性がある
(それにしても、この流れで違和感のないCKBの歌謡曲っぽさたるや)。

そして、別れの歌や恋人の歌が多くなる「冬パート」がもう一つの山場。
"雪の降る街を"を挟んで2曲収録されたユーミンカバーでは、
"卒業写真"よりも"A HAPPY NEW YEAR"の方が新しい魅力を見せられている印象。
締めくくりに来る"思い出のアルバム"は、
改めて聴くと落涙も禁じえない程の名曲だった。

聴く季節や時期によって、違う景色を見せてくれるであろう作品。
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by taku_yoshioka | 2011-07-20 00:23 | music

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka

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