タグ:ライジングサン ( 11 ) タグの人気記事

朝まで オレ マシュマロ ふわふわで地球上(good morning/エレファントカシマシ)

e0191371_0261987.jpg

寒さや疲れで続々と叢に倒れるものが増えていく丑三つ時のBOHEMIAN GARDEN。
死屍累々の中、ともすると悪夢にうなされそうな濃い目の夜の弾き語りが今年も行われた。

向井秀徳にとっては昨年の七尾旅人とのセッションに続いて2年連続となるこの試み。
今回のパートナーはかつてから親交のあるeastern youthからoutside yoshinoこと吉野寿。
吉野氏は北海道は帯広市出身ということもあり、ほぼホームと言ってもいいだろう。
リハーサルからリラックスした様子でファンとの対話を楽しむ姿は、照明の効果もあってどこか不気味だ。

演奏間のMCでのこぼれ話によると、このテレコ式の弾き語りスタイルはそもそものルーツを
吉野氏との企画(というよりは酒の勢いに助けられた思いつき)に持つとのことで、
かつては新宿LOFTを会場にして当日告知で開催し、たった2人(!)の聴衆に向かって
向井秀徳が"delayed brain"を熱唱するという奇跡のシーンもあったとか。

さて、そんな二人のこの夜の共演。
向井秀徳は大きな舞台を数多くこなしてきたこともあってか、アレンジも含めて洗練されたパフォーマンス。
「お決まり」も含めて演出としてしっかりと昇華されて安定感がある。
一方の吉野寿は、ギター一本で真っ向から単独行を挑む荒々しい怪演っぷり。
血管が切れてしまいそうなほどに魂を絞り出す歌声は、
バンドではない分一層生々しくダイレクトに響いてくる。これはなかなかの衝撃だった。

ラストはeastern youthの"細やかな願い"を二人で演奏。
昨年とはまた違ったミックス・アップを観ることが出来たので、是非恒例企画として続けて欲しい。
(余談だが、吉野寿が「向井くんのようなマトモな人」と言っていたのが恐ろしい。)

さて、楽しい宴も終わりが間近。
テントサイトに帰還して最後の荷造りを進める。



初めてのテント撤収に手惑いつつもなんとか作業を完了し、
会場を大横断してSUN STAGEへと向かう。(痛感したが、FORESTはこれが辛いのだ。)

近づいていくと聞こえてくるのは、宮本浩次のあの声。
白みだした空の下、ステージに立っているのは大トリのエレファントカシマシだ。
駆け足で"悲しみの果て"から合流し、今年のRSR最後のアクトを堪能することにする。

乱れた長髪の隙間から射抜くような目つきで客席を睨みつけ、
フラつくようにステージを動き回る宮本浩次の姿は危うさも含めて完全なロックスター。
かと思えば、一転してMCではどこか抜けた一面を見せ、笑い声も漏れる。
半ば伝説として語り継がれている数々のエピソードからもわかるように、
人格に問題ありなのだろうが、そこも含めてある種のエンターテイメントなのだろう。

デビューから25年を数えようという彼らだが、最新作からの楽曲も好調。
全霊を込めた歌声が健在を印象付ける"我が祈り"は、底から突き上げてくるエネルギーがある。
一転して弾き語りで披露された"七色の虹の橋"は優しく心に寄り添い、
"世界伝統のマスター馬鹿"で見せてくれたのは良い意味で変わらない往年の存在感。

そして、この日のハイライトとなったのは、なんと言っても"ガストロンジャー"。
元々、まくし立てるような口調で心情をぶちまける好戦的なナンバーだが、
ライブならではのアドリブを交えつつ観客へのメッセージを越えた説教が止まらない。
極めつけは高緑成治に難癖をつけベースを奪い取るブチ切れパフォーマンス。
これにはどよめきと歓声が入り混じった反応で、色々な意味で面目躍如と言ったところではないだろうか。
アンコールで"俺たちの明日"が演奏され、2012年のRSRは幕を下ろした。



ということで、前6回に及んだレポートの完結と共に今年のRSRも終了。
アクト以外の部分にも思う点や書き留めるべき点はありつつも、一旦これにて一区切りとしたいと思います。
[PR]
by taku_yoshioka | 2012-08-28 00:32 | music

一億二千七百六十万の 叫びを切り裂いて(満員電車は走る/曽我部恵一BAND)

e0191371_12102243.jpg

一際小柄な体格で夕暮れのSUN STAGEに登場したのは、初登場の歌姫・Superfly。
4thアルバムが完成したばかりだということもあり、新曲中心のセットでRSRへと挑む。

結果から言ってしまうと、この選択は残念ながら観客の期待に応えるには至らなかった。
RSR初登場と言うことは、当然ながら初めてSuperflyのライブを観る人間の割合は多い。
となると、必然的に「ライトな層」を相手にしなければならない訳で、
そんな中約半分が新曲とあっては障壁を取り除くのは至難の業。
新作収録の感謝をテーマにした曲を披露したことで、
同様の役割を持つ"愛をこめて花束を"が歌えなくなってしまったりと、なかなか厳しい展開だった。
ラストの"タマシイレボリューション"での盛り上がりは、
何が求められていたかを象徴する場面でもあったように思う。

個人的には、曲の予備知識が無い状態で聴くことになったために、
純粋に一人のシンガーとしてフラットな視点で見ることが出来たのは良かった。
曲間のMCは普通のお姉さんといった感じで、素朴な印象すら与えるほど。
それだけに演奏が始まって没入しながら切り替わる様子には、良い意味で戦慄。

後日、公式サイトのブログにて後悔を匂わせるコメントを残していたことからも分かるように、
初めてのRSRで勝手が分からなかったというのは本当のところなのだと思う。
実際、ライブ中はバンドメンバーを紹介する余裕すらなかった。
それに、先述のように素の状態では結構普通の人でもあり、
カリスマ性や天才的な空気察知能力を持ち合わせているタイプでもないのだろう。
(一方他のレポートを読む限りでは、アジカンは上手くRSR向けにシフトしたらしい。勇気ある妥結。)

もし、これからのRSRやその他のイベント等でSuperflyのライブを観る機会があれば、
それなりに優先してまた参加したいと思う。
今回も下手なことをした訳でもないし、秘められたままになってしまった実力を観てみたい。



最後のディナーとしてニセコピザといちごけずりの定番メニューを食し、テントにて休憩。
2日目はこの後がクライマックスに向けての山場となるので、ペース配分が大事になるのだ。
これも、3年目だからこそ出来る時間の使い方。

そして日付も変わろうかという頃、この日三度目のRED STAR FIELDに移動する。
ライジングサンと言えば!といっても良いほどに毎年印象に残っているROVOのライブだ。
夜中に爆音で体中に浴びる「人力トランス」は何度体感しても最高。
徐々に下がってきた気温を跳ね返すように体温を上昇させ、次の会場へと向かう。



暗い夜道を抜けて目指すはBOHEMIAN GARDENの曽我部恵一BAND。

到着して入口からステージの方に目を向けると、既に人が集まっており4人の姿も見える。
もう始まっているのかと焦って近づくと、まだサウンドチェック中で一安心。
楽器のチューニングを続けつつも演奏されたのは"ソング・フォー・シェルター"。
独特の抑揚を持った語るような歌が印象的なこの曲を、
それぞれが音出しをしながらざっくりと合わせていく。

しかし、2バース目から一気にタイトなセッションとなり、生まれる一体感。これには客席も引き込まれる。
そのまま曽我部恵一の「音楽にリハーサルも本番もないと思ってるから」との一言を皮切りに、
流れるようにライブ本編がスタート。うーん、掴み方が上手い。

改心の一作となったセルフタイトルの3rdアルバムを引っさげての登場となった彼らだが、
この日のライブもアルバムの完成度同様の充実したステージ。
"ロックンロール"は新しいアンセムとして申し分の無いパワーをすでに蓄えているし、
ここで演らずしていつ演ろうかという"サマーフェスティバル"も良い感じ。
また、曲調の幅が広がったことで"キラキラ!"や"恋人たちのロック"といった
これまでに発表してきたストレートな楽曲がより一層「効果的」だ。
"街の冬"は生歌で(しかも北海道で)聴くと苦しいほどに心に刺さってしまう曲だが、だからこそ聴けてよかった。

終わってみれば、"ほし"で始まり"STARS"の合唱で終わるという出来すぎたセットリスト。
40歳を越えて何度目かのピークを再び迎えようとしている曽我部恵一、凄いです。



次回、いよいよラスト。
[PR]
by taku_yoshioka | 2012-08-26 12:54 | music

魚じゃない!野菜でもない!やっぱり肉を食おう!(やっぱり肉を食おう/吾妻光良 & The Swinging Boppers)

e0191371_2224018.jpg

二日続けてのRED STAR FIELDからのスタート。日差しも強すぎず快適だ。

初日のハンバートハンバート×COOL WISE MANと同じく大所帯で登場したのは、
東京から昨晩遅くに到着したという吾妻光良 & The Swinging Boppers。
初めて音源を聴いたときから趣味にドンピシャだったバンドで、今回念願の初ライブ鑑賞となった。

その率直な感想としては、なんてカッコいいおじさんなんだろうというのが一番最初に来る。
頭頂部の禿げ上がった小太りの中間管理職風の風貌にして(言いすぎ?)、
重ねてきた年輪の分だけ逞しさを増したパワフルな演奏。
多分に自嘲の含まれる歌詞は生歌でも聴きやすく、場内からは笑いの混じった歓声が。
さらにはゲストで札幌から元TOMATOSの松竹谷清も加わり、ますます高まるおじさんパワー。

こんな具合で初っ端からすっかり踊らされてしまった。
プリンセス・プリンセスの熱気にもきっと負けてなかったよ、吾妻さん。



2日目開始早々ではあるが夜に備えての体力温存の意味もあって、
BOHEMIAN GARDENにてしばしチルアウトしながらの鑑賞タイム。
日差しを避けてPA裏の木陰に腰を下ろし、
木々の隙間から覗くようにステージが見られる位置を確保する。

純白のワンピースに大きなハットの出で立ちで現れた青葉市子は、まさに夏のお嬢さん。
それでいて「盛り下げに来ました」との謙虚さを通り過ぎた自虐コメントが会場の笑いを誘う。
しかし演奏が始まれば、知人のデザイナーの息子のおしゃべりをベースにした"soul!"や、
大貫妙子&坂本龍一の"3びきのくま"のカバーなど至福のひと時。



日が傾き、少し日陰が出来てきたので前方へ移動。
続けてのまったりタイムはLonesome Strings and Mari Nakamuraとともに。

音源では激しくパワフルな音色がパッケージされ、思わず身体を揺らしたくなるような出来となっていたが、
この日のライブでは会場の雰囲気もあってかどの曲も落ち着いた趣。
抜群のテクニックでしっとりと演奏。うーん、間違いなし。

2組続けてこれぞBOHEMIAN GARDENと言いたくなるゆったりとした時間が過ぎていき、
この楽しみ方もRSRの一つの重要な要素であることを実感しつつ夕方を迎える。



ここから再度精力的に活動開始。

まずは夕暮れ時の時間帯も憎いほどに似合っているSCOOBIE DO。コヤマシュウの白いスーツも眩しい。
3年前はCRYSTAL PALACE、一昨年はBOHEMIAN GARDEN、昨年はEARTH TENTと、
年を追うごとに大きな舞台へとステップアップしてきた彼らだが、今年はついにRED STAR FIELDに。

評判が評判を呼んでの「成り上がり」は伊達ではなく、
演奏のみならず掴みのMCから煽りまで、LIVE CHAMPの二つ名も納得のハイレベルなライブを見せる。
なにより「LIVEが楽しい」ということが周知されているのは強いもので、
ステージに登場したときのムードが既に勝ちゲームのそれだ。
そして、踊る人の輪とバイブスが絶え間なく周囲を巻き込み続ける。フェスならではの美しい光景。

最後まで観ていきたいところではあったが、次の開始時刻が迫っていたこともあり移動。
SCOOBIE DOはこのままSUN STAGEまで上り詰めてしまうのか、来年以降の注目ポイント。




つづく。(次回はSuperfly、ROVO、曽我部恵一BANDの予定)
[PR]
by taku_yoshioka | 2012-08-23 22:22 | music

狩り終えてひとり帰る道の上 月の明かりも揺れてる(狩りから稲作へ/レキシ)

e0191371_22403871.jpg


1日目のラストは漆黒が広がる森の奥へ。

初参加となった昨年の2時間に及ぶ「暴挙」の噂を聞きつけてか、
異例とも言えるほどに大入りのBOHEMIAN GARDEN。間違いなく去年以上。
冒頭から「甘やかすな!」と一括する池田貴史も嬉しそうだ。
いつの間にかレキシネームが「となりの登呂遺跡」となっていた玉田豊夢と、
引き続き「東インド貿易会社マン」としてステージに立つグローバー義和を従え、
コアメンバーによる3人編成でライブがスタートする。

曲名そのままに煌々とライトアップされた照明の中、
一曲目の"キラキラ武士"の演奏が始まると一斉に多くの手が上がる様は、
ここがBOHEMIAN GARDENであることを忘れてしまいそうなほど。
近いうちに大きなステージに移る可能性も感じつつ、ここで演ってこそのレキシだという思いも強く残り…複雑。

そして、この日1人目のゲスト。"キラキラ武士"と言えばもちろんDeyonna'…ではなく、2年連続のやついいちろうだ。
先日のロンドン五輪で見事金メダルを獲得した松本薫の極めて緩くて酷い(ギリギリ褒め言葉)ものまねで現れ、
盛り上げも笑われもすることなく観客を呆然とさせるだけで去っていった様はある意味立派。
(ちなみに、先日のワンマンライブでも同様に柔道着を着ての登場だったが、
その時は「ヤワラちゃん」と名乗っている。いやはや、なんとも酷い限りだ。)

次曲で登場した2人目のゲストは、翌日には同じくBOHEMIAN GARDENでのライブを控えている堂島孝平。
マウス小僧JIROKICHIの正装として手ぬぐいをほっかむっての援軍である。となれば演奏されるのは勿論"妹子なぅ"。
曲間のMCによると、ノーギャラにしてレキシのライブに最多の出演を記録しているらしく、
それでいて全力で盛り上げてくれるエンターテイナーっぷりには拍手を贈りたい。

「新曲やります!」と高らかに宣言すれば、当然会場は盛り上がる。
しかし、池田貴史が奏でるキーボードから聴こえてくるのは聴き慣れた"Let It Be"のあのイントロ。
そう、サビに合わせて「レキシー、レキシー」と替え歌をするお決まりの展開だ。
このまま有耶無耶になってしまいそうなところを持ち直し、改めて新曲"姫君シェイク"。
危うく響きの似ているMAXの某名曲に流れそうな兆しもあったが何とか完走。
初披露であろうと構わずコール・アンド・レスポンスを成立させてしまうのは強い。

と、30分ほどが経過したここで池田貴史から残り一曲のアナウンスが。
夜通しのショーケースも期待していたであろう観客からため息とブーイングが漏れる。
そんな会場を大人の事情を匂わせるMCでにこやかに諭しつつ、
東インド貿易会社マンの美声も冴え渡る"狩りから稲作へ"でフィナーレへ。

正直なところ、去年と比べて物足りなさと寂しさが少なからず感じられるボリュームに、
会場全体が若干トーンダウンしかけていたのだが、ここでバイブスを一気に吹き飛ばすサプライズ参加。
なんと「おしゃレキシ」こと上原ひろみがオン・ステージ!

数時間前に自身のステージを終えたばかりの彼女だったが、
池田貴史から奪い取るようにキーボードの前に立つや否やアクセル全開。
百花繚乱のテクニックを次から次へと繰り出し、文字通り一瞬で会場の空気を持っていく。
もともと、腕利きのミュージシャンを集めてハイクオリティな悪ふざけを展開するのがレキシの持ち味だが、
その中でも一際図抜けた技巧を持つ上原ひろみの存在は大きすぎるほどに大きい。
上手ければ上手いほど無駄使い感が高まって面白いのだから厄介極まりないグループだ。

彼女はサービス精神の旺盛さも出色で、観客が煽れば煽るだけ新しい引き出しを見せてくれる。
そして、なんだかんだでキャッチーなところが多くの人に愛される所以だと思う。
彼女の演奏は非常にテクニカルではあるけれど、決してマニアックではない。
何が凄いのかが素人目にも分かりやすいと言ってもいいかもしれない。
それに加え、先述のように反応に合わせて「対話」しながら盛り上げるので、
オーディエンスが置いていかれてしまうということがないのだ。

抜群の存在感とインパクトを残してオシャレキシはステージを去り、
アンコールの"LOVEレキシ"を皆で歌ってめでたく終演。
と同時に疲れが出てきたのでそのままテントに戻り、楽しかった一日の回想もそこそこに眠りについた。




つづく。(2日目も全3回の予定)
[PR]
by taku_yoshioka | 2012-08-21 22:42 | music

時間が本当に もう本当に 止まればいいのにな(青春/THE HIGH-LOWS)

e0191371_21223793.jpg

気温も少しずつ下がって辺りは夕闇に包まれていく中、引き続きのSUN STAGE待機。
次なるお目当ては斉藤和義。ビジョンにその姿が映し出されると黄色い声が飛び交うあたりは流石のモテ男。
パラつき始めた雨も何のそので、1曲目の"歩いて帰ろう"から観客席は大熱狂だ。

そして、演奏が終わると「青春」と呟くように曲紹介。
そんな曲があっただろうかと思い出していると、聴き慣れたイントロが耳に飛び込んでくる。
なんと、他でもないTHE HIGH-LOWSの"青春"のカバー!
この嬉しい不意打ちにはただでさえ盛り上がっていた気持ちがさらに一段階アップ。
(曲後のMCによると斉藤和義にとって人生のベスト10に入る程のフェイバリットらしい。)

その後、薄暮から暗闇へと移り変わる中で、男の色気を漂わせるステージングが続く。
すっかりキラーチューンになった"ずっと好きだった"で客席は再沸騰。
"幸福な朝食 退屈な夕食"から"ウサギとカメ"に"月光"と、キャリアを横断するヒット曲を続けつつ、
この日2曲目のカバーはTHE HIGH-LOWSとは打って変わって中島みゆきから"蕎麦屋"。
ラストにはすっかりお茶の間にも浸透した"やさしくなりたい"で締め。

紛う事なきロックスターでありながらも、どこか素朴で親しみやすさを感じる存在なのがなんともズルい。
気付けば、開演時には降りかけていた雨も止んでいたのだった。



夜も更けてすっかり暗くなったSUN STAGEにて「北海道!ベイベ!」と連呼し、
怪気炎を上げる岡村靖幸に後ろ髪を引かれるところではあったが、
当初の予定通りEARTH TENTのチャットモンチーへ。
体制変更後の奮闘振りを知らせるレポートを各所で目にするにつけ、一度ライブを観ておきたかったのだ。

舞台上に向かい合うように配置されたキーボードとドラムセットを目の当たりにして思いを巡らせていると、
橋本絵莉子が一人で登場、キーボード弾き語りによる新曲でライブがスタートした。
その後ドラムセットに福岡晃子がつくと"ハテナ"から"テルマエ・ロマン"、そして"きらきらひかれ"と、
2人体制になってからリリースされたシングル曲を続けて演奏。
10月リリース予定のアルバムに向けて現在進行形で完成しつつあるバンドを強く印象付ける。

スリーピースバンド時代は役割分担がはっきりと分かれたシンプルな構成となっていたが、
2人では当然「手数」が足りなくなるため、複数の楽器の同時演奏や低音を押し出したギターなどの創意工夫で対応。
途中、ドラムの担当を交代する部分もあり、サポートを入れずにやりきるんだという
頑固さにも似た意地がひしひしと感じられた。

"満月に吠えろ"で会場が一体となって雄叫びを上げた後、
「今も昔も変わらない曲をやります」とのMCから演奏されたラストナンバーは"恋愛スピリッツ"。
本当にその通りだと思う。体制こそ違えど、チャットモンチーの本質的な部分は全く変わっていなかった。



ここからは去年までは参加できていなかったキャンパーズの時間。
家族連れの姿が少なくなり、相対的にベテラン参加者の割合が増えてきて、
「夜遊び」の様相がぐっと高まる時間帯だ。
今年はここが例年以上に魅力的なラインナップとなっており、テント泊にした理由の一つでもある。

そんな中選択したのは、豪華ゲストを招いた初恋の嵐でもなく、
野外フェスキラーの東京スカパラダイスオーケストラでもなく、
3年ぶりのRSR帰還を果たしたGOMA & The Jungle Rhythm Section。

GOMAは、同グループとして2009年にRSRに参加を果たすものの、
その年の師走に不慮の交通事故に遭い、障害が残ってしまったことから活動を休止。
同時に突然の点描画制作をスタートし、音楽の道からは少しの間離れることになる。
しかし昨年夏から本格再始動を果たして、今回の復活へと繋がったという経緯だ。

程よく埋まり熱気に包まれるRAINBOW SHANGRI-LAのスクリーンに顔写真が映し出され、
そのスクリーンが撤去されるのと入れ替わるように本人が登場。それを迎える拍手と歓声。
GOMAがRSRを待っていたように、RSRもGOMAを待っていたことを象徴するような瞬間だった。
呪術的とも言える手の動きとともに放たれる生命力に溢れたディジリドゥの音色は、再生の「叫び」そのもの。
そして、バックを固めるリズム隊もGOMAを後押しするように力強いビートを演奏。
打楽器のみとは思えないほどに深みのあるサウンドは、バイタリティの塊だ。

1時間弱の持ち時間でオーディエンスとエネルギーをぶつけ合った後、
去り際に「生きてて良かった!これから新しい記憶を作っていきます!」と涙声で語る姿には、
こっちも目頭が熱くなった。もう一度戻ってこられて本当に良かった。




つづく。(残り4回?)
[PR]
by taku_yoshioka | 2012-08-19 21:24 | music

繰り返す いつかみたいな あの感動が 甦るの(Perfume/ポリリズム)

e0191371_024631.jpg

今年も熱かったRISING SUN ROCK FESTIVAL!

3回目となった今年は、ついにテント組として参加。
2度目の「初参戦」の気分と共に北の大地へ。



会場レイアウト変更の影響もあってか、スタッフも参加者も若干探り探りの雰囲気が漂う中テントを設営。
辛味の効いた目玉焼きカレーでエネルギーを補給して、早速RED STAR FIELDへと向かう。
開始時間から15分ほど回っていた会場はすでに人だかり。
ステージ上に所狭しと横一列に並んでいるのは、ハンバートハンバート×COOL WISE MANだ。

名曲の導入としては似つかわしくない下品なMCから演奏されたのは"おなじ話"。
これが想像通りの気持ちよさ。恵まれた天気も相まって、RSRの始まりを強く実感。
シンプルにそれぞれのグループの魅力が「足し算」されたマジックはライブでも健在で、
2人の歌声が心を、スカ・サウンドが身体をゆったりと揺らしてくれる。

締めの一曲はこのコラボでは定番となっている"サザエさん一家"。
「今日は楽しいライジング」の替え歌から本家宜しくじゃんけんも飛び出し、
一番手として申し分のないパフォーマンス。
お気に入りの"23時59分"も聴くことができ、満足のスタートとなった。



ハンバートハンバート×COOL WISE MANのライブが終わると恒例の大移動。
行き先は会場奥に位置が変更となったSUN STAGEだ。
思いの外距離があったため、ステージを目前にしつつも移動中にライブがスタート。
聴こえてきたのは高らかになる電子音と、それをかき消すように上がる大歓声。
会場のビジョンを観ずとも分かる。Perfumeの3人が姿を現したのだ。

彼女達のパフォーマンスの特性上、遠巻きに眺めているだけでは来た意味がないので前方へ向かおうとするのだが、
PAテント横の辺りからかなりの密度で隙間に入ることもままならない。
最前列に辿り着けないことはこれまでもよくあったが、流石にここまでの混雑っぷりは3年間でも最高レベル。

この異例とも言える観客の多さと、少し違った空気を一言で表すのならば、
「ライジングサンにアイドルがやって来た!」と言ったところだろうか。
前方に陣取る「親衛隊」や石狩の空に吸い込まれていく甲高いMCの声は異質にして新鮮。
一方、10代の頃からライブを続けているだけあって観客の煽り方は流石のレベルで、
RSRとそのファンへのリスペクトを表しつつのアピールを繰り出し、
すぐさま味方につけていく「人たらし」っぷりはトップアイドルの真髄に触れた気分だった。
ツッコミ不在のふわふわトークは無軌道的に見えつつも要所を押さえてコーナリングし、
コースアウトすることは決してない完全なるプロの仕事。

天晴れだったのが、口パクであることを真っ向から認めるかのように、
松田聖子の"夏の扉"を流しながらリップシンクとダンスを披露した場面だ。
ここまでやられてしまうと、最早あり方を否定する方が難しい。苛立たしいほどにクレバー。
結局最終的には観客の多くがまんまと乗せられて、
振り付けを叩き込まれた上に一体となった完璧なフィニッシュ。
ロックかどうかの議論はさておき、間違いなく一流のライブだったように思う。



Perfumeファンが退場して少し余裕ができたので、客席の少し前方へ。
ファンの女の子が目立つ中RADWIMPSを待ち構える。
しばらくするとドラムセット周辺にメンバーが集まりだし、重なっていくシンプルなビート。
そこに少しふらつくような足取りで野田洋次郎が合流して、"DADA"でショーケースの幕開け。

お馴染みの"有心論"や"いいんですか?"は合唱も自然発生して生まれる一体感。
"G行為"はライブで披露されると、観客が手を上げる様が歌詞そのものの状況となり面白い。
昨年の東日本大震災に際して制作された"白日"では唯一前方のビジョンに歌詞も映し出され、
彼らが彼らなりに真摯に向き合い、虚飾もなく丁寧に込められたメッセージが伝わってきた。
また、野田洋次郎の「これは(僕の、ではなく)RADWIMPSの気持ちです」というMCも印象的。

最後は、およそ半日後に控えた日韓戦を意識してのことではないと思うが、"君と羊と青"を演奏して終了。
巧みなレトリックや深い世界観を持つ歌詞は間違いなくRADWIMPSの大きな強みである一方、
"君と羊と青"のようにシンプルに盛り上がれる楽曲も作れるところも結構重要な要素だと再確認。
良い意味で学生ノリというか、デビューしてから今に至るまで、
洋楽ミクスチャー好きの軽音部仲間のまま邁進しているところが傍から見ていてもとても楽しい。



つづく。
[PR]
by taku_yoshioka | 2012-08-17 23:59 | music

さぁ 踊りましょう サンダンス ムーンダンス(音タイム/ハナレグミ)

e0191371_1162559.jpg

もうすぐ日付も変わろうかという頃、途中で開園して間もないTONE PARKに立ち寄る。
まだ人がまばらな会場は踊りやすく、小一時間ほど身体を暖めてから次のライブへ。

0時を回り照明の少ないGREEN OASIS周辺は数メートル先も見えない程真っ暗に。
そんな暗闇の中には、かなり多くの人が集まっていることがわかる。
皆が待っているのは、モーモールルギャバン。

その期待に応えるかのように、ゲイリー・ビッチェはパンツ一枚で登場。
「京都から来ました!モーモールルギャバン!ジャンルはJ-POPです!」と
曲間で叫び、最初から超ハイテンションで煽りまくる。

ライブパフォーマンスの評判は噂には聞いていたけれど、
実際に見てみると想像以上のものすごい熱量で圧倒される。
フロントマンのゲイリー・ビッチェの異様ともいえる迫力は、
自分の目と耳で体感してこそ。

ドラムの叩き語りで若干足りなくなる声量は、
ユコ・カティが髪を振り乱しながら鍵盤を叩きつつコーラスでフォロー。
同じく髪を振り乱しながら演奏するT-マルガリータは、
言葉少なにステージ奥で自分のリズムを刻んでいるのがかえって恐ろしい。

途中、ゲイリーがドラムセットの上に激しく落下するシーンがあったものの、
平然と立ち上がり「よくあること!」と言ってのける。
これには会場がさらに盛り上がる。ほぼ全裸の彼には神々しさすらあった。
(しかし、これがただ事ではなかったのは後に伝えられた通り。
彼のプロ精神に敬意を払いつつ、一刻も早い回復を祈ります。)

サビでは自然とレスポンスがあり、認知度と人気の高さを感じる。
"サイケな恋人"の「パンティー!」の大合唱ではその日一番ともいえる大盛り上がり。
集まった誰もが叫びたがっているフレーズで、
極端な言い方をすればこれがやりたくてモーモーのライブに来ている人すらいると思う。

最後の"Ca☆Na"まで熱量をキープしつつ完走。
終始パンツ一枚で過激なパフォーマンスをしながらも
しきりに「ありがとう」をファンへの感謝を口にしていたゲイリー・ビッチェは、
本当はただの好青年なんだと思った。
ああいう「いいやつ」はズルいね。ギャップでキュンとさせてくるから。
あのピュアさは嘘ではないといいな。


再びTONE PARKへ戻ると、石野卓球御大が絶賛フロアロック中。
これを楽しみにしていた人も多いようで、かなりの客入り。
せっかくなので少し参加しつつも、疲労も蓄積してきたので、
暖かい飲み物を手にSUN STAGE近くに陣取ったベースキャンプへと戻る。

8月とは言えここは北海道。深夜になれば冬に近い寒さになる。
ということで、マウンテンパーカーに身を包みつつ、曽我部恵一を遠くから眺める。
「いつも通りに、カフェでやってるみたいに」とのリクエストがRSR側からあったらしく、
大規模なSUN STAGEで一人スポットを浴びながらの弾き語り。
これが不思議な距離感となっていて、独特の雰囲気を作り出していた。
その心地よい歌声に身をゆだねつつ、しばしの睡眠へ。


サウンドチェックの音に目を覚ますと、もう夜が明けている。
今年の大トリを勤め上げるのは、1日目の夜も大活躍したハナレグミだ。

朝ぼらけの会場はあいにくの曇り空。
切れ目から青空ものぞいてはいるものの、全体的にぼんやりとしている。
そんな中暖かい歌声は、太陽の代わりに明るく優しく包み込んでくれた。
そして、すっかり「みんなのうた」になっているハナレグミの楽曲は、
フェスティバルを締めくくるに相応しい。

"PEOPLE GET READY"の「今頃ふたり この朝日を 見れたろうか」や
"音タイム"の「朝が来たなら 朝を歌おう」といった歌詞は、
シチュエーションがバッチリすぎて心への響き方もいつも以上。
このあたりは手練の彼だからこその確信犯的演出でもある。

先に書いたとおり、あまりはっきりと晴れてはいない空模様だったのだが、
「これ晴れてる?晴れてるよね!」と半ば強引なMCから披露したのは"明日天気になれ"。
これも歌詞が絶好のハマり方。貫禄のある魅せ方だ。
(この人、一日前はキラキラの眼鏡つけてアフロの人と悪ふざけしてたんだけどな…)

大騒ぎとはいかないまでも、ゆるくも盛り上がり続けるショーケースは
"オハナレゲエ"を演ったところで「時間が来ちゃった」と突然終了のアナウンス。
いくらなんでもそのまま終わるのも間が悪いということで、
最後に"あいのこども"を演奏して締め。


かくしてRISING SUN ROCK FESTIVAL 2011は終了。
去年と比べて出演アーティスト数は少なかったけれど、
その分移動にも余裕があったし、一組あたりの時間は長かったのでこれはこれでよし。
今年もたっぷり楽しみました!
[PR]
by taku_yoshioka | 2011-08-27 01:17 | music

このグルーヴを捕まえて このグルーヴを捕まえて(Rollin' Rollin'/七尾旅人)

e0191371_0324947.jpg

夜も深まってきたところで、今回2度目のボヘミアンの庭への潜入。
数寄者にはたまらない、向井秀徳と七尾旅人のワンナイトセッションへ。
「適当にやるんで、座っててください」との七尾旅人からの提案で、
観客はめいめいそこら中に座って観ることに。

電話での挨拶レベルの会話を除いて、
基本的には「全く打ち合わせしてない」状態で始まったぶっつけ演奏だったため、
最初は相手の出方を伺っているような印象。
向井秀徳の"MABOROSHI IN MY BLOOD"のサビに、
探り探り七尾旅人が歌をかぶせていたが、
"サーカスナイト"に合いの手を入れ始めた辺りから波長は合いだし、
"シャッター商店街のマイルスデイビス"では見事なコンビプレー。
音楽的に柔軟な対応をする七尾旅人と、
インスピレーションで言葉を紡ぎだす向井秀徳が
奇妙なハマり方をしてグルーブを高めていく。

七尾旅人が歌った、未発表曲だという「コードを一つ覚えた少年の歌」は
音楽を手に入れたことによって希望や未来が無限に広がっていく様子を歌っており、
"I Wanna Be A Rock Star"にも通じる初期衝動を感じられる一曲。
そして、この曲は先日この世を去ったレイ・ハラカミへと捧げられた。
七尾旅人は「なんとなく捧げます」と照れ隠しのように言っていたけれど、
音楽を作れなくなってしまった先人に対して手向けるにはこの上ない歌だと
信じていたからこそ演奏したのだと思う。

向井秀徳が「前のバンドの曲を」と言うと会場にはどよめきにも似た反応。
演奏されたのは"TATTOOあり"。
向井秀徳はとっくに次のそのまた次のステップに進んでいるし、
言ってしまえば過去の曲なんだけれど、
思い入れのある人の多さは会場の温度が変わったことからも感じられる。
かくいう自分も、心の中でガッツポーズをした一人だったり。

この後は、メッセージ性の強い曲が続く。
東日本大震災の発生から一週間後に発表された"ふるさと"のカバーは、
5ヶ月以上経った今でも当時の思いをありありと思い出させてくれた。
同じく、震災をきっかけに生まれた"圏内の歌"も、
残念ながらまだその意味を失っていはいない。
続く"CRAZY DAYS CRAZY FEELING"でも「生の実感を持っとこう」という思いから
1945年に落とされた2つの原子爆弾、
そして、今年の3月11日の記憶を改めて刻み込む。
それでも"どんどん季節は流れて"いく。
音楽としての素晴らしさ、メッセージの確かさ、その両方が存在する、
この二人だからこそ成し得た最高の時間だった。

最後には向井RAP ver.の"Rollin' Rollin'"をやっぱりやってくれた。
七尾旅人の呼び掛けで、それまで座っていた観客は立ち上がってステージ前へと詰め掛ける。
誰もが待っていた、という感じだ。
去年もRSRでも聴いたし、他のライブでも何度も名まで聴いているのだけれど、
この曲の力は恐ろしいほどだと改めて感じた。
なんせ、これさえ最後に演っておけば
どんな触れ幅でライブをしたってほぼ確実に成立してしまうのだから。
アンセム中のアンセム。

心に響きっぱなしだったこのセッション。
惜しむらくは、サカナクションの凱旋公演の真裏だったこと。
きっと、どちらに行っても最高に楽しかったんだろうけど、
それだけにちょっと悔しいところでもあります。

もうすぐ0時。そして夜明けへ。
次回、感動のRSRレポート劇終!みんな、見てくれよな!

(書き疲れてきてキャラクター崩壊させたい…)
[PR]
by taku_yoshioka | 2011-08-25 00:35 | music

今日は最高 今日は最高の気分だ(ギリギリガガンガン/ザ・クロマニヨンズ)

e0191371_003380.jpg


僅かな午睡から抜けきれず微睡んでいたら、力強いホーンの音色に叩き起こされる。
SUN STAGEの広い舞台上を所狭しと躍動する東京スカパラダイスオーケストラの登場だ。

RSR前の期間ではヨーロッパを巡り、また一段階タフになって帰ってきた彼ら。
百戦錬磨の経験値は伊達ではなく、スタートダッシュでいきなり会場中をロック。
暴論覚悟で言えば、ほとんどの日本人にとって「SKA=スカパラ」くらいだろうから、
ここぞとばかりにSKAのビートに合わせて踊る、踊る、踊る。

しかも、今回は世界基準の音楽家がもう一人このステージに参戦。
今や説明不要の最高峰ジャズピアニスト上原ひろみ!
そのパワフルな演奏から生まれるグルーブに身を任せ踊り狂う者あり、
一方で余りの凄さに耳を奪われて立ち尽くす者あり、
とにかく圧倒的な技術力と存在感。

そして、ショーケースは共演から競演へ。
沖祐市と交互に弾きあうセッションタイムは、
対話というよりはぶつけあいというのが相応しい鍵盤バトル。
そのハイレベルな鍔迫り合いはスリリングかつエンターテイメント性も抜群だった。

さて、このスカパラと上原ひろみのスペシャルセッション。
絶妙の組み合わせでマジックが起きるという感じではなく
(ルーツがSKAとJAZZという違いがあるという部分も含めて)、
美味しいカレーに美味しいトンカツを乗せて、
「ほら、美味しいカツカレー!」といった感じの単純な足し算ではあった。
しかしながら、両方のレベルが高ければそれもまた良し。
一食の価値のあるものに仕上がっていた。

と、まだまだ盛り上がりそうなSUN STAGEではあったけれど、
この時間帯は観たいアーティストが詰まっているたので移動することに。


次のお目当てはThe Birthday。
流石の集客力で、TMGEのTシャツを着ている人の姿もちらほら見かける。

バンド名通りの"Happy Birthday"を出囃子に登場し、
チバユウスケが歌いだした瞬間「あの声だ!」と、弥が上にも気分は高揚。
強烈なしゃがれ声は生で聴いてもやはり最高だった。

さて、言うまでもなくチバユウスケはベテランの域に入ってきているのだが、
生年月日は1968年7月10日、年齢にして43歳である。
それに対して、同じ日の同じステージのトップを飾った
OKAMOTO'Sのオカモトショウは1990年10月19日の20歳。
その差実に23歳と、一回り以上違うロックンローラーが、
同じステージに立っていることに様々な感慨を覚える。

チバは派手なアクションもしなければ、人間味のあるMCも(今回は)しなかったけれど、
その声、そしてカリスマ性がずば抜けすぎていて、強烈なインパクト。
今度はワンマンで観てみたい。


これも最後まで聴いていたいところだったが、
次に今回の本命の一つが控えていたのでやむを得ず離脱。
SUN STAGEのザ・クロマニヨンズへと向かう。
この2組が重なった夕方、リスナー層を考えれば痛恨の時間かぶりだと思う。

開演10分前に着いたところ鑑賞エリアはまだ余裕があり、
ステージ前モッシュゾーンの外周部分くらいまで入り込む。
最前部近くまで来ると流石に客層が一気に若年化する。
周りの熱気も遠巻きに見ているときよりも高いような印象。

革ジャンを来たロックなお兄さんのイントロダクションに導かれ
メンバーが登場するとものすごい大歓声。そこら中からヒロトの名前を呼ぶ声がする。
そんな中自分はというと、感動しすぎて一瞬黙ってしまった。
高校の頃からずっと好きで聴いてきたヒロトとマーシーが生で目の前に、
しかもかなり近くにいるというのを観ただけですでに泣く寸前。
こんなことなら早く観に行けばよかった。

しかし、そんな少しセンチメンタルな感動も、ライブが始まれば興奮に様変わり。
激しいフラッシュの中巻き起こる「人間!人間!」のコール。"クロマニヨン・ストンプ"だ。
開始早々フル・スロットルで飛ばしまくり、
その後もシングル全曲披露(!)の超豪華セットリスト。
個人的にお目当てだった"グリセリン・クイーン"も聴けて大満足。

終盤の"ギリギリガガンガン"ではイントロのギターが鳴った瞬間
一気に前方に観客が押し寄せてたちまちモッシュが発生。
ラストの"タリホー"ではさらに大きなモッシュとなって大狂乱!
曲数にして15曲のかなりのボリュームだったのだが、
あっという間に時が経ってしまった。

ザ・クロマニヨンズのライブは良い意味で刹那的で、
彼らが歌い続けている通り、「今」を楽しむしかないんだという気になる。
結局、1時間ほどの間拳突き上げっぱなしの歌いっぱなし、
文字通りの狂喜乱舞で楽しみきった。

本当に好きなんだな、やっぱり。


(レポートはやっと折り返して残り2回の予定…。)
[PR]
by taku_yoshioka | 2011-08-23 00:01 | music

笑って笑って 二人で笑って 青い空眺め(笑って笑って/OKAMOTO'S)

e0191371_10351154.jpg

2日目はヤングパワー2連発に始まり、一転してベテラン勢を観て回る展開。
まずは、半ば砂嵐状態のRED STAR FIELDにてOKAMOTO'S。

若さ溢れるエネルギッシュなステージングは、
一本調子の力業と切り捨てることはできないほどのバイブレーション。
恐れ知らずな勢いが、ストレートに現れていて良い。

その若さに似つかわしくない
ハイレベルな演奏技術に定評のあるOKAMOTO'Sにおいて、
しばしば槍玉に挙げられるのがオカモトショウの拙さ。
ただ、ここで個人的に一つ言っておきたいのは、
バンドのボーカルには上手い下手以上に適正があるということ。
立ち振る舞いからキャラクター、はたまた性格といった部分は、
ある意味歌唱力よりも重要かもしれない。

以上の要素を鑑みると、間違いなくオカモトショウはボーカル向き。
20歳にして堂に入ったパフォーマンスを見せ付けて、
自分よりも年上の「大人たち」に拳を突き上げさせる彼はアンファンテリブルだ。
そのことを生で観ることで再確認した。
ファン意外もいるフェスでも新曲で盛り上げられるのも力のある証拠だと思う。

などなどという部分も含めて、観ていてスカッとするライブだった。
次に観るときはもっと良くなってるんだろうな。


そんなOKAMOTO'Sも含め、今回は若手を観るというのも一つのテーマだったので、
炎天下の下で砂塵を潜り抜けつつ会場を大横断してCRYSTAL PALACEへ。
到着するとまさに踊ってばかりの国がリハーサル中だった。

徐々に人が集まってきて開演時には程よい客入り。
CRYSTAL PALACEは入場規制がかからないくらいが調度良い。

Vo.の下津光史は話しているときは普通のフリーターのお兄ちゃんな雰囲気なのだが、
楽曲が始まり一たびスイッチが入ると憑かれたように歌声を搾り出す。
その声も、歌うときと話すときでだいぶ違っていて、
「みんな楽しい?俺たちは楽しいよ」というMCもどことなく不気味で陰がある。
(ライブ後のTwitterでの発言を見る限り本当に楽しかったようではあるけれど。)
ちょっと前まで観ていたOKAMOTO'Sと比較すると
コミュニケーションもとらないし、内向的だしで、はぐれ者の様相。

最後は、ギターを乱暴において不協和音が鳴り響く中、
何も言わず立ち去る下津光史と、ボーカルのいない舞台上で演奏を続ける3人の奇妙な構図があり、
その3人も曲が終わると曖昧な感じで舞台裏に消えていき、
ゆるさと緊張感が不思議なバランスで同居したライブが終わった。
全行程を終えた今振り返ってみると、今年観た中では一番異質なライブだったように思う。
それにしても、若くしてこの儚い空気は凄い。
死生観が滲み出ているのは歌詞だけではなかったのがわかっただけでも大収穫。


宮殿の外に出ると当然のように強い日差し。そして、舞う砂煙。
特にとどまる理由もなかったので、目的を持たずに会場内を逆戻り。
すると、GREEN OASISに差し掛かったあたりで延々と繰り返される電子音に気付く。
どうやら、音の主はMOON CIRCUSのにせんねんもんだいらしい。

せっかくなので少し覗いていくと、そこで目にしたのは
一心不乱にひたすら同じフレーズの演奏を続ける3人の女性と、
その音楽に合わせて踊るそれほど多くはない客の姿。
演者も観客も真昼間からループする音楽に異様なまでに没頭していた。
これもまたフェスの一つの風景。

少しの休憩を取ってから、有名どころが続く時間帯へ。
[PR]
by taku_yoshioka | 2011-08-21 10:43 | music

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka

プロフィールを見る

カテゴリ

全体
music
comic
book
gear
goods
musium
sports
movie
game
web
design
words
未分類

以前の記事

2014年 05月
2013年 12月
2013年 09月
more...