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君と遊ぶ 誰もいない市街地 目と目が合うたび笑う(夜を駆ける/スピッツ)

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[※ネタバレあり]

一切の生物が消え去った無人街に残された少女とフラミンゴ。
「世界の終わり」を生きる彼らはゴーストタウンの美女と野獣か、
それとものんびり屋のボニーとクライドか、はたまた新しい世界のアダムとイブか——。

世界から誰もいなくなると同時に記憶喪失になっていた少女・ミヤコと、
元々は男子中学生だったというフラミンゴ・オンノジの日々の生活を描き出した本作は、
表向きは日常系ギャグ四コママンガとしてカテゴライズされることになるだろう。

マネキンに悪戯をしてみたり、線路を歩いて隣駅に行ってみたり、
人の目がなければ誰もがやってみたいと思う諸々を存分に楽しむ様子は、
一種の開放感と共に緩い笑いを提供してくれる。
また、無人化してしまっただけでなく、想像を超えたシュールな変化を見せる街に対して、
突っ込みを入れていく二人のテンポと温度も面白い。
さらにミヤコが持つ自由な空想力は、何気ない日常の出来事を独特の視点で切り取り、
感心させられると同時に無垢なドヤ顔には思わずほっこり。

このように、終末を感じさせる程の極限状態にも関わらず悲壮感は大きくなく、
二人はそれなりに上手いこと暮らしているようにも思える。

だが一方で、時折襲う強い不安感はリアルで、シリアスで、相当にヘビーだ。
誰もいない町の夜や孤独は不安を増大させ、明日への希望を覆いつくそうとする。
だからこそ、日々の些細な笑いや心温まる瞬間が灯となって
明日を照らし出してくれることは数少ない救いだ。たとえそれが幽かなものだったとしても。

作中でオンノジが言う通り「世界は終わらない 絶えず始まり続ける」。
互いに最高の相方を得た二人は、絶望を絶望に終わらせない。

(余談)
本作とスピッツの"夜を駆ける"の歌詞が不思議なほどにシンクロニシティ。
もはやテーマソングと断言してもいい。
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by taku_yoshioka | 2013-07-29 21:53 | comic

Ok, it's the stylish century


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