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perfect relief

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先発転向以来少しずつだが着実に適応し始めていた凡田夏之介は、
しかし悉く白星に恵まれずついに二軍落ちとなってしまう。
元々は調整降格だったはずが、狂った歯車が戻るには思いの他時間を要し、
なんとか一軍に再合流できたのはシーズン最終三連戦前。
チームがCS出場を争う最終盤でのことだった。

緊張したゲームを続ける中、なかなか出番の回ってこない夏之介。
待ちに待った復帰後初登板は、今季のラストゲーム。
これがスパイダースのCS進出には勝利が絶対条件という大一番。
しかも、同点で無死満塁という極限状態での登板だったのだが、
マウンドから遠ざかっていたことに拠る肩の回復も奏功し、見事三者三振にしとめる。

その後のCSでも快刀乱麻の活躍を続ける彼の活躍はメディアからの賞賛を受け、
いつしか「凡田の○球」と呼ばれるようになる。
これまで、十把一絡げの中継ぎ投手に過ぎなかった彼に、
初めて「肩書き」や「箔」がつけられた記念すべき瞬間だ。

この出来事のモデルとなったのはオリジンである「江夏の21球」ではなく、
2011年の日本シリーズ第4戦のホークス1点リードで迎えた6回裏、
無死満塁の窮地を無失点で切り抜けた「森福の11球」だろう。
パワーピッチャーではない左のサイドハンドという点も共通する。

分業制の進んだ現代野球においても、やはり投手の華は先発完投だ。
だが、一方でストッパーやセットアッパーにも大きな注目と期待が集まってきた。
そして徐々にではあるが、それ以外の中継ぎに対しても注目度は上がってきていると思う。
それは、球界の顔となって球宴に出場するという華々しいものではないかもしれないが、
各チームのファンから信頼され愛されている中継ぎも少なくない。
ましてや、一度でもセンセーショナルな活躍をしたとなれば尚のことである。

つまり、凡田夏之介はポストシーズンの活躍でそれなりの人気を得たのではないだろうか。
となると、人気査定が契約更改のテーブルにおいて提示される可能性もあるが——。
それよりもまずは、目の前に迫るCSである。
最強の「秘密兵器」凡田は、スパイダースを日本シリーズに導けるのか。
by taku_yoshioka | 2013-03-08 21:48 | comic

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka