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寡聞にして今更ながら知ったのだが、
YouTubeで展開されているEpic Rap Battles of Historyが面白い。

2010年の9月にスタートしたこの企画は、
Peter ShukoffとLloyd Ahlquistという2人のコメディアン/ミュージシャンが、
様々な有名人に扮して物真似をしながらMCバトルをし、
その勝者をに対して視聴者が投票するコンテンツだ。
有名人を題材にハイクオリティでギリギリの悪ふざけをするという意味で、
MTVの名作クレイアニメ「セレブリティ・デスマッチ」と発想は近いかもしれない。

とにかく好き放題やっているものだから、
これまでのカードはどれもがドリームマッチというべき豪華さ(と馬鹿らしさ)。
ダース・ベイダーvsヒットラーの「支配者対決」に、アインシュタインvsホーキングの「科学者対決」。
ジャスティン・ビーバーvsベートーベンの新旧「カリスマミュージシャン対決」もある。
ただ、これらはまだ括りが理解できる範疇のもので、マリオ兄弟vsライト兄弟の「兄弟タッグマッチ」は、
時代から虚構性まで全てを飛び越えたなんでもありの極みだ。
(しかし、それを上手くまとめあげているのは見事。)

他には、この手の企画ならではのタイムリーな人選もあり、
今年10月の大統領選後にはオバマvsロムニーの顔合わせが実現。
既に勝負は決したはずの2人が、再び舌戦を繰り広げた。
また、クリスマス前にはサンタクロースvsモーセのカードが開催。
もはや「ヒゲのおじいさん対決」でしかない悪のりっぷりは、
たしなめる気さえ起こさせない清々しさがある。

完全な「後乗り組」だが、これから追いかけていきたい。


(余談)
このコンテンツの成立は、「MCバトル」が一つのエンターテイメントとして
広く認知されているアメリカの文化的地盤の表れでもある。
映画「8マイル」を例に挙げるまでもなく、HIPHOP文化の一要素として、
ラップでバトルすることが浸透しているからこそできる楽しみ方だ。
同様の企画を日本で実施するとなると、演じ手側よりも受け手側のリテラシーの違いで、
ラップの中身(=なりきるリリックの巧緻さ)を評価しての投票とまでは至らない気がする。
by taku_yoshioka | 2012-12-26 23:50 | music

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka