人気ブログランキング | 話題のタグを見る

When I'm home Everything seems to be all right(A Hard Day's Night/The Beatles)

When I\'m home Everything seems to be all right(A Hard Day\'s Night/The Beatles)_e0191371_1528561.jpg

一難去ってまた一難、という程でもないが、
物語がうまく転がりそうになったところでしっかり問題も起きる展開で、
緊張感はそれなりに保たれている。
この作品がたどり着くべきゴールは恐らく一つなので、
後はそこまでのプロセスをどれだけ波乱とロマンに満ちたものに出来るか。

この巻で最も印象的なのは、新曲として"A Hard Day's Night"を演奏するシーン。
ページいっぱいに描かれた蜂矢翔の立ち姿と「ジャアン」の擬音語。
解説にも書いてある通り、上記のような描写だけで、
イントロのギターを鳴らした瞬間(どんな音が鳴ったのか)がありありと心に浮かびあがってくる。

ただ、評価されるべきはかわぐちかいじの描写力というよりは、
やはり"A Hard Day's Night"のイントロが持つ強力なパワーだろう。
たとえ他の演奏シーンはピンと来ないとしても、
イントロの「脳内再生」は容易に出来るはずだ。

ここに"僕はビートルズ"の音楽マンガとしての強みがあって、
どれだけビートルズに近づけるかを目標とするコピーバンドのサウンドは、
単純にビートルズの音源を思い浮かべればよいので想像が容易い。
"BECK"や"のだめカンタービレ"などよりもずっとブレのないイメージの共有が出来る。
(その後にこれら2作品は実写映像化もアニメ化もされたので、
結果的にどのような音なのかは共通認識として広まっているのだけれど、
その分だけ原作未読の人から想像力を大分奪ってしまうことになったと思う。)

"A Hard Day's Night"以降、本家ビートルズは音楽性の幅を広げた。
ファブ・フォーもそれに倣うのか。
また、ライブはほぼなくなる時期も来るのだが、そこも史実に忠実にするのか。
などなど、見所は尽きない。
by taku_yoshioka | 2011-09-04 15:32 | comic

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka