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駆け寄って 話しかけたかった でも出来なかった 今日まで 一度も(話しかけたかった/南野陽子)

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日本の春夏秋冬を彩ってきた名曲の数々を、二階堂和美がカバー。
聴きなれたはずの楽曲も、彼女が歌うと不思議と彼女の曲になってしまう。

元々声にはかなりの個性と力強さのある歌い手だが、
全編ギターの弾き語りで綴られたこのアルバムでは、
アコースティックな演奏によって歌声の魅力が特に引き出されているように思う。
そのせいか、所謂カバーアルバムを聴いたときのような借り物感は希薄だ。

前半ではアイドルの名曲が続く。
"話しかけたかった"で垣間見える少女性は、
オリジナル楽曲ではあまり見られなかった側面だし、
"夏のお嬢さん"では榊原郁恵とは違ったはしゃぎっぷりを聴くことができる。
こういう曲を聴くにつけ、彼女には「天真爛漫」という言葉が似合うなと
つくづく思わされる。

この「夏パート」はクライマックスの一つ。
"世界でいちばん熱い夏"で胸に浮んでくる煌きと、
"少年時代"から"せぷてんばぁ"への流れから思い出される晩夏の寂しさは、
聴くだけでひと夏を経験したかのような叙情性がある
(それにしても、この流れで違和感のないCKBの歌謡曲っぽさたるや)。

そして、別れの歌や恋人の歌が多くなる「冬パート」がもう一つの山場。
"雪の降る街を"を挟んで2曲収録されたユーミンカバーでは、
"卒業写真"よりも"A HAPPY NEW YEAR"の方が新しい魅力を見せられている印象。
締めくくりに来る"思い出のアルバム"は、
改めて聴くと落涙も禁じえない程の名曲だった。

聴く季節や時期によって、違う景色を見せてくれるであろう作品。
by taku_yoshioka | 2011-07-20 00:23 | music

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka