GENBA!
「ほとんどの選手がJリーグでプレーしているので、
Jリーグにも足を運んで、ぜひ盛り上げてもらいたいなと思います」
昨年のワールドカップで日本代表がパラグアイ代表に敗れた直後。
敗戦の動揺など全く見せず毅然とインタビューに望んだキャプテン・長谷部誠は
長い戦いの最後にこのようなコメントを残した。
また、スポーツも時代も変わって1974年のプロ野球オールスター戦。
ホームラン性の当たり、と言うかフェンスを越えて行くホームランを
フェンスに駆け上がりキャッチするファインプレーを見せた福本豊のインタビューでの発言。
「パリーグにはこれくらいのプレイをする選手は
たくさんいます。だから球場に見に来てください」
さらに、スポーツからも離れてお笑いの世界の話。
2002年の第2回M-1グランプリで、ますだおかだは見事優勝を果たす。
その歓喜の中、興奮冷めやらぬまま真剣な面持ちで
カメラに向かって増田英彦はこう語った。
「テレビに出てるだけが面白い芸人じゃありません。
ライブにはいっぱいおもろい芸人がいます!
テレビだけでなく、皆さんライブを見に来てください!」
さて、前段が長くなりましたが、これらのコメントに共通しているのは
・注目度が非常に高い状況において、
・つまり、一番メッセージが届く可能性が高まるタイミングで、
・喜びや悲しみの感情の表現よりも先に
発せられとたいうこと。
このことが彼らがどれだけ現場に人を集めることをいつも考えているのかを
非常に端的に表していると思う。
それは、そのときの喜びや悲しみよりも優先する。
ワールドカップも、オールスターゲームも、M-1グランプリも、
当事者たちにとってはひとつのハイライトでありながら到達点ではないから。
現場が全てではないというのも間違いではない。
また、それまでに選手や表現者たちは何をやってきたのか、残してきたのか。
それ(ら)は現場に行く動機になるほど期待感のあるものだったのか。
ここを無視して考えることの出来ない問題なのも事実。
ただ、一つ間違いのないことがある。
全てが、現場で起こって、現場で始まっている。
だから、現場に足を運ぼうかどうかを迷ったとき、
なんだかんだで現場に向かう方が色々な意味で「正しい」気がします。
およそ一年前の東アジア選手権から始まり、スポーツから音楽まで、
観客として、スタッフとして、公私に渡り今までにないくらいに現場にいた一年間だったので、
この一年の記録として現場について書き記した次第です。
by taku_yoshioka
| 2011-02-08 00:30