人気ブログランキング | 話題のタグを見る

just give me that smile oh baby come on(SMILE/HOCUS POCUS)

just give me that smile oh baby come on(SMILE/HOCUS POCUS)_e0191371_18693.jpg

RISING SUN ROCK FESTIVALへの出発を明日に控え、
個人的な前夜祭としてHOCUS POCUSの来日公演へ。
時間にして一時間強の決して長くはないセットだったけれど、
この上ない満足感と興奮に満ちたショーケースでした。

まず、冒頭の"Voyage Immobile"からいきなり仕掛けてきた。
1バース目を音源と同様に歌い切りフックに入った後
「J Dilla, Rest in peace」と20sylが言うと、
なんとトラックが"Runnin'"の生演奏に切り替わりそのまま2バース目をキック!
これは盛り上がらない訳がない。
結局そこからは持っていかれっぱなしでした。

20sylはテクニック的にはフロウの引き出しが多い訳ではないけれど、
曲の中での緩急の付け方と、基本的な間の取り方が抜群に巧い。
トリッキーなだけがテクニカルではないと言う好例。
また、ライブパフォーマーとしての才も非常に長けていて、
バンドメンバーともオーディエンスとも積極的にコミュニケーションを取り、
会場を一つのグルーブの下におさめることに成功していた。
パントマイムやロボットダンス的なボディアクションもナイス。

そもそもサポートメンバーも含めて、バンドとしての体力がもの凄く高い。
ギターのダビッド・ル・ドゥンフが歌をしっかり歌えたり、
その他のメンバーもコーラスは危なげなくこなせたりと、
バンド内でやりきれるレンジが広く、かつハイアベレージ。

そんな中でも特に目立ったのはDJ Green。
観客の声援やギターのフレーズをリアルタイムでサンプリングして、
その場でこすりネタにするのはシンプルだけど間違いない
(この「シンプルだけど間違いない」はHOCUS POCUSを評するときに
 相応しいフレーズの一つじゃないかと思っています)。
客席との距離の縮め方は流石にDMCのチャンピオンだけあるなと実感。
ちょっとしたスクラッチ一つとっても唸らされるしね。

また、メンバー紹介でバンドの面々の名前を挙げるだけでなく、
Billboard Live TOKYOのPAにも拍手を求めていたのが地味ながら感心したポイント。
たしかに、PAの作る音も含めて一つのショーケース。
全体をケアしていないとできないプロフェッショナルな対応だと思います。

その後も最後の最後まで見せ場は尽きることはなく、
アンコールの一曲目"Je La Soul"が始まると同時にステージ後ろのカーテンが開いて
バンドのバックに六本木の夜景が広がる演出はズルすぎた。
これはBillboard Live TOKYOじゃないとできない粋な見せ方。

と言った具合に、徹頭徹尾ハイレベル/ハイクオリティなライブでした。
強いて難点を挙げるならば会場のルール。
革張りの椅子に腰掛けてディナースタイルで、というのはやっぱり性にあわない
(と言うか、HIPHOPのライブにはあわないんじゃないかって話でもあって)。
次回は是非スタンディングで思い切り体を揺らして観たいものです。
by taku_yoshioka | 2010-08-12 01:08 | music

Ok, it's the stylish century


by takuyoshioka