三分間でさようなら はじめまして(能動的三分間/東京事変)

まず、アルバム全体のスピード感に驚く。
あっという間の47分間。
前作と収録時間数自体は変わらないのだけれど、
テンポの良さや安定感が一段階も二段階も上がっていて
「もう終わったの?」という印象が残るくらい。
加えて、リリースを重ねるごとにしっかりとバンドとして形作られ、
サウンドはこれまでになく洗練されている。
メロディー先行の言葉を崩した歌い回しも今まで以上にスムーズ。
効果的に踏まれるライムも子気味良い。
その一方で、今挙げたようなバンドサウンドの良さが目立ちすぎ、
歌詞の内容はそこまで響いてこなくもある。
ただ、この辺りは"三文ゴシップ"との差別化が感じられるので、
変化に対して「否」という訳ではない。
バンドサウンドにベストな歌を書いているだけだろうから。
そして、何より歌い手の顔が見えてくるというのは
なんだかんだで非常に大きい要素だと思う。
右向け右で恋の歌ばかりリリースされる配信主導のJ-POPシーンの中での
椎名林檎のボーカリストとしての存在感を再確認した次第です。
